送れなかったメール

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休職中、月曜日の朝

田中さん

 

ある、家族の小説を読みました。

グチャグチャでした。

総てが、総てがグチャグチャでした。

混乱と愛憎と勘違いとかそういう狂ったもの全部を掻き集めてにだたせたらああいう家族になるかもしれない最低な、人として最低な!

でも、気持ち良かったな。

人なんて所詮そんなものだと、自分で打ち砕き続けた理想を砕いてもらったみたいで。

 

いいじゃないか、愛妻家なんて存在しなくて。

いいじゃないか、良妻なんて滅びていて。

 

ねえ田中さん。

私は田中さんを、他の人では埋められないところの、詰まる所の理想にしてしまいました。

もしかしたら本当に実在した「不倫をしない父親」!

私は父親が不倫したんですからこの世の男の人も女の人も全然誰も信用しませんしこれからも恨み憎み殺し続けます。

でも、田中さんのこと、本当に大好きだから、そんな理想に当て嵌まんなくても私はずっと好きよ。

愛妻家じゃなくても知らない女と不倫してても夢を諦めてもやることなすこと綺麗じゃなくても。

 

でも私は友達になったから

もし田中さんが道を踏み外してしまったら私は叱咤してあげる。

それくらいに強くなってやるのよ私は。